内分泌専門外来
当院の特徴
- 診療経験豊富な専門医が診察:日本内分泌学会認定内分泌専門医・指導医
- 検査設備が充実:採血や超音波検査、レントゲンなど施行可能
内分泌疾患とは
身体の様々な働きを調節する物質のことをホルモンと言い、内分泌腺と呼ばれる部位で産生されます。この内分泌腺には、下垂体(脳下垂体)、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、性腺などがあります。これらに異常が生じる病気を総称して内分泌疾患と言います。
これら内分泌腺に異常(ホルモンの分泌が多すぎる・少なすぎる)が生じることで、様々な症状がみられるようになります。
当院では、採血でホルモンの状態を評価し、適切な治療をご提案していきます。
低身長専門外来(小児)
※現在、新規予約を中止しております。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
低身長専門外来を初めて受診される方は、問診票をダウンロードの上、当日は記入してお持ちください。
・低身長専門外来の持ち物
① 保険証
② 子ども医療費助成受給券
③ 母子手帳
④ (お持ちの方は)お子さんの成長がわかるもの(成長曲線など)
⑤ 問診票
下垂体疾患
下垂体疾患とは、下垂体(脳の真ん中にある)から分泌されるホルモンが多くなり過ぎたり、少なくなり過ぎたりする病気です。
主な疾患には、先端巨大症、プロラクチノーマ(プロラクチン産生下垂体腺腫)、下垂体機能低下症、成長ホルモン分泌不全症などがあります。
分泌が過多あるいは低下したホルモンの種類によって、それぞれ生じる症状は異なります。
このような症状のある方はご相談ください。
- 手足(指輪や靴)のサイズが変わった、顔つきが変わったと言われる
- 疲れやすい、記憶力が落ちる
- 産後でないのに乳汁が出る
- 物が二重に見える
- 身長が同年代と比べて低い
適切に診断、治療することにより症状の改善が期待できますので、気になる症状がある方はご相談ください。
副甲状腺疾患
副甲状腺は甲状腺の裏側に4つあり、副甲状腺ホルモンを分泌しています。副甲状腺ホルモンはカルシウムやリンの調節に関係しています。副甲状腺ホルモンの分泌に異常を生じると骨粗鬆症や尿路結石、腎不全を引き起こします。
主な疾患には、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症などがあります。
治療は、外科的治療の他、内服による内科治療も行われます。
副腎疾患
<p">副腎とは、体の左右にある腎臓の上に存在する内分泌臓器です。副腎皮質ホルモン(アルデストロン、コルチゾール、アンドロゲン)と副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノンアドレナリン)を産生・分泌しています。これらのホルモンの分泌が何らかの原因によって、過剰もしくは不足するなどして生じる様々な症状のことを総称して副腎疾患と言います。
主な疾患には、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。
このような症状のある方はご相談ください。
- 若い頃から血圧が高い
- 血圧を低下させる薬を何種類も飲んでいるのに血圧が安定しない
- 顔が丸くなってきた
- 手や足は細いのに、おなかがでてきた
性腺疾患(男性更年期症候群)
更年期障害とは、一般的には女性が閉経した際にホルモンの変化によって起こる様々な悩みや症状のことをいいます。しかし、更年期障害は女性だけではなく、男性ホルモンの分泌が低下することで男性にも起こりえます。それを男性更年期障害(LOH症候群)といいます。中高年男性の6人に1人が隠れ男性更年期と言われており、決して特殊な病気ではありません。
男性更年期障害の原因
男性ホルモンであるテストステロンは、身体中の多くの臓器に影響を及ぼす重要なホルモンです。血液中のテストステロンレベルは加齢とともに低下していきます。男性更年期障害は、加齢と共に男性ホルモンが徐々に減少することによって起こる様々な症状のことを指します。
女性は閉経により女性ホルモンが急激に減少することがきっかけで更年期障害となります。一方で、男性は加齢とともに男性ホルモンが徐々に減少してくるため、更年期障害の診断が困難な場合もあります。また加齢以外にも、環境の変化や極度のストレスなどが原因で男性ホルモンが急激に減少し、男性更年期障害の症状が発生する場合もあります。
このような症状のある方はご相談ください。
- 身体的な症状:筋力低下、ほてり、発汗、頭痛、めまい、疲れやすい、肥満など
- 精神的な症状:イライラ、不安、不眠、抑うつ、意欲や集中力の低下など
- 性機能の症状;性欲の低下、勃起障害、朝立ちの消失など
男性ホルモン値が低い場合、上記の症状だけでなく、糖尿病や肥満、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症、動脈硬化などに関係するとの研究結果あります。また、男性ホルモンの減少は認知症やサルコペニア(筋肉減少症)とも関連します。
男性更年期障害の診断
①質問票
男性更年期障害の診断に広く用いられている「AMSスコア」と呼ばれる質問票などに記入していただき、症状の重症度や、どの症状が特につらいのかを調べます。
②テストステロン値
男性ホルモンであるテストステロンを血液検査で調べることにより、男性更年期障害であるか診断します。
*LOH症候群の診断基準
- 血清総テストロン値が250 ng/dL以下で、症状がある場合に性腺機能低下症(LOH症候群)と診断。治療を考慮する。
- 総テストステロン値が 250 ng/dL以上の場合には、遊離テストステロンも測定する
- 遊離テストステロンが7.5 pg /mL 以下であればテストロン補充療法を考慮する。
ただし、数値だけではなく臨床症状が重要であり、数値が正常であっても重度の症状が出る場合や、数値が悪くても全く問題症状がない場合があります。 個々の患者さんに対して対応していくことが必要となります。
血液中のテストステロン値は日内変動と言って一日の中でもその数値が変動することがわかっており、男性更年期障害の診断のためには午前中に採血を行うことが、正しい結果を得るために必要です。男性更年期障害の診断をご希望の方は、できる限り午前11時までに受診して採血をさせていただくことをお勧めいたします。
治療
①男性ホルモンの補充
男性更年期障害の症状は男性ホルモンの低下で起こるため、足りない男性ホルモンを補充することによって、症状の改善を期待することができます。効果がある人は、投与直後から劇的に症状が改善します。男性ホルモンの補充には注射製剤あるいは軟膏の2種類があります。それぞれの適切な投与量、投与間隔は個人によって差があります。
合併症として、肝機能障害や多血症(血が濃くなりすぎる)などが起こりえます。そのため、投与前と投与中には定期的な血液検査が必要となります。
また、前立腺癌は男性ホルモンとの関わりがある癌であるため、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAも投与前にチェックする必要があります。
*現在、当院では男性ホルモン製剤の治療は対応できません(男性ホルモン製剤の出荷調整のため)。
②漢方薬の治療
男性ホルモン補充療法の適応とならない場合は、女性の更年期障害と同様に漢方薬(補中益気湯など)による加療にて効果が期待できます。
③健康的な生活習慣
健康的な生活習慣(運動、健康的な食生活、睡眠、禁煙、ストレスを減らしていくなど)を送ることで、老化の原因となる酸化ストレスを下げて、男性ホルモンを上昇させることが期待できます。