糖尿病先進デバイス(CGM・インスリンポンプ)について
①CGM(持続血糖モニター)
- 24時間の血糖値の動きをリアルタイムに確認可能(気づかない低血糖や高血糖の把握可能)
- 低血糖や高血糖をアラートで通知
- より細やかな血糖コントールが可能
- データがインターネットに保存されるためオンライン診療も可能
当院ではすべて外来での導入が可能です
CGMとは
糖尿病治療において頻用される血糖管理指標の代表はHbA1cと血糖値です。しかし、HbA1cは過去約1~3か月の平均血糖値を反映する指標に過ぎません。同様に、血糖値は測定した時点の値を示すことはできますが、その前後の血糖値が上昇傾向あるいは下降傾向にあるのかなどの血糖値の動きや低血糖(特に就寝中や症状がなく起きているもの)を把握することは困難です。この解決策となるのが、24時間の血糖変動の可視化できる持続血糖モニター(Continuous Glucose Monitoring : CGM)になります。理想的な血糖コントールを目指す上でCGMを有効活用することが望ましい場合があります。
CGMはセンサーを皮下に留置することで、間質液中のグルコース濃度を連続的に測定して血糖値を推定することにより、血糖変動を確認できるデバイスです。さらにご自身のモバイル機器(スマートフォンなど)にてCGMデータを確認できるようになりましたので、インターネットを介したクラウドデータシェアリング(いつでも・どこでも血糖変動を確認できる)が可能となっています。
CGMの種類と対象
自己注射を行っている患者さんは保険適応で使用可能ですが、CGMの機器によって対象の方は異なります。スマートフォンを連携されている方では、CGMデータがインターネット上に保存されるため、自宅にいながら治療のアドバイスをうける(オンライン診療)ことも可能です。食事療法や運動療法を見直す意味で、一時的にCGMを活用することが有用な場合もあります。
2型糖尿病の方も病状や治療内容によっては、保険適応の場合がございますのでご相談ください。
②インスリンポンプ
- より細やかなインスリン投与による血糖コントールが可能
- 自動でインスリン量を調整してくれるデバイスあり(MiniMed 780G)
- オンライン診療にも対応可能
当院ではすべて外来での導入が可能です
インスリンの頻回注射で治療していても血糖コントールがうまくいかない場合があります。インスリン分泌やライフスタイルが影響することが多いですが、そのような場合は、インスリンを皮下へ持続的に注入する持続皮下インスリン注入(通称:インスリンポンプ)療法を導入することにより、血糖コントロールの改善が望めることがあります。
インスリンポンプの種類
Sensor Augmented Pump(SAP)
CGM機能を併用したインスリンポンプ(SAP)としてMiniMed780G(メドトロニック社製)が使用可能です。SAP療法では、インスリンポンプ療法のみと異なり、高血糖や低血糖時に装着者が一切操作しなくても、血糖値が目標とした値(100-120mg/dL)になるようインスリンポンプ自体が判断してインスリン量を自動調整してくれます(オートモード使用時)。そのためオートモード使用時には、食事を摂る際に炭水化物量を入力するだけです。さらにモバイル機器(スマートフォンなど)でも血糖変動を確認いただけます。
SAP療法の最大の問題点として、医療費(従来のインスリンポンプ療法と比較して3割負担で月額最大12,000円程度増加)の増加が挙げられます。
パッチ型インスリンポンプ
パッチ型インスリンポンプとしてテルモ社のメディセーフウィズがあります。このインスリンポンプではチューブがありませんので、仕事や家事など日常生活においてポンプを装着している煩わしさを低減できると考えられます。
当院では外来での導入を行っておりますので、興味を持たれた、導入を希望される場合はご相談ください。